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2017/05/05【トランプ大統領の出方に日本政府は対応できるか】

 中国と北朝鮮がお互いに名指しで批判を展開しています。
中国が米国の求めに応じる形で北朝鮮に対する経済制裁を強めたことに北朝鮮が反発しているもので、異例と言ってもいいかもしれません。
 

 実際のところ中朝がどの程度本気かは分かりませんが、中朝の関係にくさびを打ち込むことができたとすれば、トランプ大統領の成果です。
長年、米国をはじめとする国際社会は、北朝鮮制裁で中国を本気にすることができなかったわけですから、トランプ大統領を批判する人々も、その手腕を認めざるを得ないのではないでしょうか。

 一方、北朝鮮制裁で中国を本気にさせたのは、米国が米中間の貿易で譲歩するなどして取引したからと言われています。

 政界からは、中国の公船が日本の尖閣諸島周辺の領海に侵入することに米国が目を瞑ることを取引条件としたのではないかと危惧する声が上がっています(※)。
しかし、米国が北朝鮮への対応にあたっている隙に、中国が尖閣諸島などで攻勢に出ることは考えられますが、米国が中国の力を背景とした領域の拡大を容認することは考えにくいのではないでしょうか。

 そもそも米国は中国の公船による尖閣諸島周辺の領海侵入に対して、今までも逐次批判するようなことはしていません。
日本は、米国がどうあろうと、中国の公船による領海侵入に対しては、隙の無いように毅然と対応すればいいのではないでしょうか。

 その上で、トランプ大統領は、核開発に固執した場合の金正恩体制の崩壊と、その先の中国の覇権拡大阻止を見据えていると考えられるので、日本も米国の動きに対応できるようにしておく必要があると考えます。

※:5月4日付産経新聞http://www.sankei.com/world/news/170504/wor1705040030-n1.html