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2017/05/03【自衛艦が初の米韓防護任務を実施】

 安全保障関連法に基づく自衛隊の護衛艦による初めての米艦防護任務が、過日、初めて行われました。
場所は房総半島沖から四国沖にかけての海域であり、米艦に差し迫った脅威があり得ない場所なので、極めて政治色の強い任務と言えます。

 護衛にあたった海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦(DDH)「いずも」は、その後、シンガポール、インド、フィリピンなどを親善訪問する航海に向かいました。

 東南アジアでは、軍事面で米国寄りだったタイが中国から潜水艦を導入する計画を発表したり、フィリピンのドゥテルテ大統領が同国を親善訪問した中国海軍の駆逐艦を訪れて中比の友好関係をアピールしたりと、経済面だけでなく外交・軍事面での中国の攻勢が顕著です。

 こうした中で、護衛艦の中で最大の大きさを誇り、空母のような艦様の「いずも」を東南アジアに派遣することは、日本がこの地域でもリーダー国家として責任を果たす意思を示すと共に、軍事面でも頼りになる存在であることを示すことに繋がるので、意味があると言えます。

 一方で、朝鮮半島情勢が緊迫する中で、作戦指揮能力に長け、航空輸送や医療面でもプラットフォームになるなど、海上自衛隊に4隻しかない汎用性の高いDDHの内の1隻が日本近海から離れるということは、安全保障面でも一抹の不安を与えます。

 事態はこう着しつつあると見る向きもありますが、北朝鮮の出かた次第でトランプ大統領は動きます。
自衛隊も、朝鮮半島有事を前提に体制を整えておく必要があります。

【参考】:4月30日付The Liberty Web「The Perspective ―大川隆法 時事説法―」 http://the-liberty.com/article.php?item_id=12944