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2017/04/29【北方領土問題を進展させるには】

 安倍首相とロシアのプーチン大統領との会談が行われました。
昨年末の首脳会談で合意した北方領土の共同経済活動について、具体的な話し合いが行われましたが、北方領土返還については今回も進展がありませんでした。

 安倍首相としては、少しずつステップを踏んで返還に繋げたい思惑のようですが、その道筋は見えていない状況です。

 ロシアにしてみれば、北方領土は地政学的な重要性が増していることに加え、先の大戦で多大な犠牲を払って取得したという認識があります。
先の大戦では、旧ソ連が終戦間際に一方的に日ソ中立条約を破って侵攻したということがあるものの、千島列島や樺太の戦闘では、ソ連軍は民間人を除けば旧日本軍を上回る犠牲者を出したとされています。

 こうしたことから、経済支援などでは、そのように苦労して取得した領地を簡単には手放せないというのがロシア側の本音ではないでしょうか。

 幸福実現党が主張していたように、ロシアがクリミアの問題で孤立していた苦しい時に、日本が制裁に加わらずにロシアに理解を示していれば、北方領土交渉は進展していたはずです。
その一件で、プーチン大統領の安倍首相に対する信頼は損なわれたと言えます。

 ですから、プーチン大統領の信頼を得るには、日本が率先して制裁解除に向けて欧米との仲を取り持つ努力をするなり、経済協力の分野では北海道から樺太を経てユーラシア大陸を横断するリニア新幹線構想を支援するなりして、ロシアにとって大きな利益が得られる思い切った提案をするべきではないでしょうか。

 ロシアは日本にとって、対中国で戦略的に重要なパートナーでもあることを忘れてはなりません。