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2017/04/12【本当に監視社会を招く法律とは】

 自民党と民進党は、テロ等準備罪関連の法案の趣旨説明を14日に行うことで合意し、来週から趣旨説明が始まる見通しとなりました。
 

 この法案は一定の必要性は認められるものの、恣意的な法運用の可能性など問題の多い法案であるため、慎重に審議する必要があります。

 野党側は、「監視社会」に繋がるなどと反発しており、その主張も理解できる部分がありますが、本当に監視社会を懸念しているのであれば、既に施行されているいわゆる「マイナンバー法」こそ、廃止または制限しなければならないのではないでしょうか。

 テロ等準備罪では、国民一人ひとりをつぶさに監視する具体的な手段があるわけではありませんが、マイナンバー法は、マイナンバーと言う国民一人ひとりに割り当てられた一つの番号を一元的に管理することで、その人の行動全てを把握できてしまう可能性があるからです。

 現在、マイナンバーの利用は、税・社会保障・災害対策の分野だけですが、来年からは、預金口座・健康保険証・戸籍・パスポート・証券口座や、その他、自治体だけでなく民間などへの利用拡大が計画されています。

 これにより、国はその人の財布の中身だけでなく、行動パターンや健康状態までも把握できる恐れがあります。
特に、現代社会においては、財布の部分を抑えられてしまうと生活状況がガラス張りになります。

 この他にもマイナンバー制度は、情報流出時の損害の大きさや、管理システムの費用が膨れ上がっていることなど問題が表面化しています。

 今からでも遅くはありません。
マイナンバー法の廃止または利用拡大阻止に向けて声をあげなければなりません。