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2017/03/06【中国の国防費、本当はいくら?】

 中国の全人代が開幕し、演説した李克強首相は、引き続き軍隊の強化を推し進めることを明確にしました。
全人代に先立ち中国政府は、2017年の国防費の伸びを7%前後と発表していますが、単純に中国政府の発表をもとに算出すると16兆円を上回る規模となり、ここ10年で3倍に達する水準となっています。

 こうした中国の急速な軍事予算の増大は日本をはじめ世界の懸念材料となっていますが、中国政府は自国の国防費について、NATO加盟各国がGDPに占める国防費の割合を2%に引き上げると合意しているのに対し、「中国はここ数年、1.3%前後の水準を保っている」として、世界的に見れば必ずしも中国の軍事費が突出していない旨を強調しています(※)。

 しかし、中国の公表している国防費には、基地の建設費や外国からの武器の調達費、研究開発費などは含まれていないと見られ、実際は公表の2倍程度に達するというのが大方の見方です。

 また、そもそも中国が発表するGDPは水増しされていて、実際のGDPは公表値よりもだいぶ低いとの見方があります。
こうしたことを踏まえれば、中国の実際の軍事費は、対GDP比でも2%を大きく上回っていることが確実です。
加えて、中国の国防費の内訳は非公表であり、極めて不透明というのが実情です。

 日本は、中国の軍備増強に対し抑止力を確保するために、日米同盟の強化とともに、現在の防衛で備えが出来るのか、そのあり方を検討する必要があると考えます。

※:3月5日NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20170304/k10010898601000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_017