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2017/02/27【太陽光発電は万能か?】

 オフィス用品を主体とした大手通販会社の埼玉県にある大型倉庫で火災があり、出火から6日目にようやく消し止められました。

 出火原因は消防などが調査中ですが、鎮火までに6日も要したこの火事は異例と言えます。
消火に手間取った原因として、倉庫が窓の少ない特殊な構造であったこと、防火シャッターが早い段階で機能しなくなったことなどが考えられるとのことです。

 そしてもう一つ、手間取った原因として、倉庫の屋根の上には設置されていた太陽電池パネルの存在が指摘されています。
太陽光発電設備は、東日本大震災後、急速に増えていますが、今回の火災では、出火後も太陽電池パネルが発電していることから、屋上に思うように放水できなかったとの証言があります。
放水できなければ、特殊な消火剤などを使用しない限り、火を消せませんし周辺の温度を下げることも困難になります。

 太陽電池は、その変換効率がどんどん高まり高性能化しています。
そうした太陽電池パネルは、火災時だけでなく、災害等で建物が被災した際に、思わぬ事故の原因になることも考えられます。

 阪神淡路大震災では、被災後に電気設備が復旧して送電を再開する際に、通電火災が多発したとの報告がありますが、光さえあれば発電を続けるという太陽電池の特性には十分注意する必要があります。
 

 太陽電池パネルを建物に設置する際には、安全基準があると思いますが、既存の基準で十分安全が確保されているのか、今回の火災を受けて検討する必要がありそうです。
 

 原発に代わるエネルギーとして太陽光発電にも注目が集まっていますが、その普及を妨げるべきではないと思うものの、原発に取って代われるだけの安定電源ではないという認識を持たなければならないのではないでしょうか。