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2017/02/24【人工島を契機とした実効支配への対応】

 中国は、南シナ海の南沙諸島に造成した複数の人工島に、長距離地対空ミサイルの格納施設を建設している模様です(※)。

 具体的な長距離地対空ミサイルの種別は不明ですが、長距離地対空ミサイルが配備されることになれば、中国は人工島を防衛する範疇を越えて、当該空域をコントロールしたいという思惑を鮮明にしていることになります。

 中国は、習近平主席が訪米した際に、当時のオバマ大統領に対し、南シナ海の人工島を軍事拠点化しない旨を明言したにもかかわらず、実際は、言行が一致せず、南シナ海の人工島の要塞化を強力に推し進めています。
中国は、国家主席の訪米というセレモニーを成功裏に終わらせるため、人工島の造成に対する国際社会の批判に対し、その場しのぎの嘘をついてオバマ大統領を黙らせたと言えるかもしれません。

 まんまと中国に乗せられた感のあるオバマ大統領は、結局、中国の人工島造成に手を打つことはできませんでした。

 これに対しトランプ大統領は、就任後、約1カ月で南シナ海に空母機動部隊の派遣を決めました。
オバマ政権が、「航行の自由作戦」で駆逐艦を単艦で恐る恐る航行させたのとは対照的です。

 人工島を契機とした空域や海域の実効支配を許さないという意思を明確にする必要があります。
日本も、護衛艦の派遣を含めて、どういった形で米国に協力できるか具体的に検討すべきではないでしょうか。

※:2月23日付産経新聞http://www.sankei.com/world/news/170223/wor1702230021-n1.html