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2017/02/11【報道のあり方について考える】

 放送倫理・番組向上機構(BPO)は、3年前にNHKが放送したSTAP細胞問題を取り上げた番組で、小保方氏への名誉毀損の人権侵害があったと認めました。
これに対しNHKは、人権を侵害したものではないと反論しています。

 BPOは、この番組は小保方氏が「ES細胞を盗み、それを混入させた細胞を用いて実験を行っていたと断定的なイメージの下で作られた」としており、そこには「真実性・相当性が認められない」としていますが、NHK側は「ES細胞を不正行為により入手し、STAP細胞を作製した疑惑がある」という内容にはなっていないと主張しています(※)。

 しかし、当時の番組を思い出してみると、BPOの指摘通り、「小保方氏がES細胞を不正に入手して、その細胞をSTAP細胞と称していた」というように捉えた視聴者が多かったのではないでしょうか。
ですから、NHKが、「番組にそうした意図は無く、放送内容をどう感じるかは視聴者の自由である」と言っているようも感じられます。

 NHKの報道は、他のどのマスコミよりも真実性が高いと認識している国民が多いわけですから、今回のような個人攻撃とも言える特番をNHKが放送することの恐ろしさを改めて認識させられました。

 NHKは、イメージ形成を誘導したり、先入観に捕われたりすることなく、不偏不党の立場で公正に報道することに努めて頂きたいと思います。

※:2月10日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20170210/k10010872201000.html?utm_int=news-social_contents_list-items_008