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2017/01/14【退任間際の駆け込み政策の1つか?】

 米国は、ポーランドに戦車などからなる地上部隊を新たに派遣しました。

 米国は、冷戦終結後、欧州から陸軍の機甲部隊を引き上げていましたが、今回、ロシアの脅威に対抗するためとして、3,500人規模の旅団がポーランドに駐屯することになりました(※)。

 これに対し、飛び地の国境がポーランドと接しているロシアは強く反発しています。

 オバマ大統領は、以前から計画されていたこととは言え、米大統領の交代が間近に迫ったこの時期に、大規模な軍の派遣という外交的に大きな軋轢を生む可能性があるイベントを行ったのか理解に苦しみます。

 米大統領選に介入したなどとするロシアに対する牽制であると同時に、ロシアに対する外交姿勢を大きく転換する意欲を見せているトランプ次期大統領への当て付けと見ることもできます。

 歴史的な背景からロシアに対するポーランドの不安は理解できなくはありませんが、ロシアの脅威が一刻を争うほど差し迫っている訳ではありません。
1週間後にトランプ氏の大統領就任式を控えているのですから、オバマ大統領は派遣をいったん保留にして、次期大統領に判断を委ねるのが筋ではないでしょうか。

※:1月13日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20170113/k10010837691000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_032