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2016/12/29【トランプ氏への牽制か】

 安倍首相は、オバマ大統領とともに真珠湾の「アリゾナ記念館」を訪れて献花と黙とうを行った後、両首脳ともに所感を発表しました。
 

 その中で安倍首相は、今回の真珠湾訪問を慰霊と不戦の誓いを改めて表明する機会とし、寛容の心や和解の力が現在の強固な日米同盟をもたらしたとしました。
今回の安倍首相の真珠湾訪問は、日米両国内で概ね好意的に受け止められているようです。

 しかし、日本の首相が真珠湾を訪問したのは、今回の安倍首相が初めてではなく、既に複数の現職の首相が訪問し慰霊を行っています。
ですから、安倍首相が日本の首相として改めて真珠湾を訪問することにどのような意義があるのか冷静に見る必要があります。

 安倍首相は所感の中で、日米同盟の強い結び付きを強調しましたが、日米同盟は日本の安全保障の基軸でありその必要性に異論はありません。

 ただ、別の見方をすると、安倍首相は、在日米軍経費負担の増額に言及して日米同盟の見直しに繋がりかねないトランプ次期大統領に対し、日米同盟の結び付きの強さを強調することで牽制したとも受け取れます。

 こうした安倍首相の牽制とも受け取れる行動は、トランプ氏の目にどのように映るでしょうか。
米国の次期大統領という立場上、表向きには支持するかもしれませんが、退任間近の現職大統領との政治的なパフォーマンスに快い感じは受けないのではないでしょうか。

 来年以降の外交を展望するのであれば、今更、オバマ氏と首脳会談を行っている場合ではないと思います。

【参考】:※:大川隆法著『繁栄への決断』幸福の科学出版http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785