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2016/09/08【日本のミサイル防衛体制は不十分】

 北朝鮮が5日に3発発射したミサイルは中距離弾道ミサイル「ノドン」と見られています。
「ノドン」は、既に200基程度が実戦配備されており、その射程距離は約1千キロメートルと、日本のほぼ全域が含まれます。

 対する日本の弾道ミサイル迎撃態勢は、イージス艦のSM3と、地上配備のPAC3の二段構えです。SM3の射程距離は数百キロメートルとされていますが、PAC3の弾道ミサイルに対する射程距離は20キロメートル程度とされます。

 PAC3の発射機の数には限りがありますから、20キロメートル射程距離ではとても日本全土を守ることはできません。
その20キロメートルと言う射程距離も、単純に考えれば発射機を中心に半径20キロメートルの半球状ですから、発射機から20キロメートル地点の上空では事実上迎撃できません。

 ですから、PAC3の部隊が展開している市ヶ谷の防衛省から、20キロメートルの範囲に入っているから安心という訳ではないのです。PAC3は、もともと一定の範囲に展開している地上部隊の防空が主な任務ですから、都市の防空に使用するには制約があります。

 今後、より射程距離の長いTHAADと言った地上配備型の迎撃システムを導入する必要がありますが、それにしても、多数の弾道ミサイルを同時に発射するいわゆる飽和攻撃に対応するためには、迎撃ミサイルも多数そろえる必要があるため、我が国にとっても大きな負担となります。

 従って、日本も実効的な敵地先制攻撃能力の取得を目指すべきですし、同時に、最低限の抑止力として日本独自の核装備を検討しなければならない時に来ているのではないでしょうか。