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2016/08/02【世界の原発が中国に牛耳られたら】

 英国のメイ新首相は、英国内で建設予定の原発に中国企業が参加することを見直す考えを示したとのことです(※)。
 

 福島第一原発の事故以降、ドイツなど一部の国は脱原発に舵を切りましたが、英国では約20年ぶりに新たな原発を建設する計画が進んでいます。
産油国である英国であっても、経済性のみならずエネルギー安全保障の観点からも、原発を維持している訳ですが、その原発の建設に中国企業が出資する計画となっていました。

 一党独裁国家である中国は、世界秩序に挑戦するかのような姿勢を露わにしていますが、その中国が自国の安全保障の一角に関与するということは、国防上重大な懸念を抱えることになるので、今回のメイ首相の判断は当然と言えるものです。

 今回の英国の例をあげるまでもなく、福島第一原発の事故以降も、世界では原発を必要としている国がたくさんあります。

 しかし、旧西側先進国の中で原発を建設できる企業は限られており、代わりに中国をはじめ韓国やロシアの企業が台頭してきています。

 こうした中で、世界最先端の原発技術を誇った日本が、原発から撤退してしまえば、原発を必要としている多くの国がますます中国などに頼らざるを得ない状況になってしまいます。

 エネルギー安全保障の観点ももちろんですが、福島第一原発の事故を経験した日本であるからこそ、世界一安全な原発を開発して世界に提供する責務があるのではないでしょうか。
ですから、世界に貢献するためにも日本は原発を捨ててはなりません。

※:8月1日付産経新聞http://www.sankei.com/world/news/160801/wor1608010024-n1.html