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2016/07/26【日本はアジアのリーダー国家を目指せ】

 ASEANの外相会議が終了し、加盟10カ国による共同声明を発表しましたが、その内容は中国に強く配慮したものとなりました。
 

 具体的には、中国による南シナ海の管轄権の主張を国際法上根拠がないと認めた先の国際仲裁裁判に触れませんでしたし、中国が進める南シナ海での人工島の軍事化にも触れませんでした。
 

 中国との関係が深く中国寄りの立場を取るラオスやミャンマーなどが、南シナ海問題で中国と対立するフィリピンやベトナムなどの主張を押し切ったものとみられます。
 

 領土・領海を切り取られようとしているフィリピンやベトナムにとって、中国による海洋進出は深刻な問題ですが、これらの国々は一国では軍事面でも経済面でも中国と対峙することが困難です。
そこで、ASEANの枠組みで一致して中国に対峙することが欠かせませんが、ASEAN内で中国に絡め取られたかのような国が存在する以上、ASEANは対中国で機能不全に陥っていると言っていいのかもしれません。

 であるならば、日本はこの地域のリーダー国家として積極的に関与することを考えるべきではないでしょうか。
問題は当事国同士で解決すべきとの中国の主張に屈しているようでは、「正義」を実現できません。