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2016/05/11【オバマ大統領は広島で何を語るか】

 オバマ大統領の広島訪問が決定したとのことです。
米国の大統領は戦後一貫して広島・長崎への訪問を拒み続けてきただけに、評価できる行為と言えるでしょう。

 ただし、オバマ大統領が何のために広島を訪れるのかが肝心です。
原爆の犠牲となった方々に対する慰霊は当然として、原爆を投下した国の指導者として謝罪があるのか、それとも従来の米国の立場通りに原爆の使用を正当化するのか、日本人としては気になるところです。

 各種報道では、大統領の広島訪問の前提条件として、日本側が謝罪を求めないことを挙げていたようですが、いくら原爆の使用を正当化したとしても、広島・長崎の惨状を見れば、原爆の投下が誤りであったことは明らかです。

 米国は、未だに、原爆投下により戦争が早期に終結し、多くの米兵の死傷を防ぐことができたとしていますが、都市部への無差別爆撃などにより既に瀕死の日本に原爆を投下することに、戦略上どれほどの意義があったのでしょうか。

 ソ連の対日開戦で、一日でも早く戦争を終結することで北海道をソ連に奪われることを結果的に防いだとの見方もありますが、原爆投下に実験的な目的は無かったのか、黄色人種の国である日本に投下することに人種差別的な偏見は無かったのか、もう一度考えてみる必要があります。

 オバマ大統領は、核廃絶の演説でノーベル平和賞を受賞しているだけに、広島で改めて核廃絶を訴えるかもしれませんが、中国や北朝鮮が核兵器を増強している中では、日本にとってはむしろ核装備を始めなければならない状況です。
「広島・長崎を繰り返させないための核装備」という日本にとって自衛措置の必要性を理解しているのは、オバマ大統領ではなく、トランプ氏かもしれません。