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2016/03/07【野球のように政治でも台湾との交流の深化を】

 野球の日本代表と台湾代表の強化試合が行われています。
日本周辺では、日台だけでなく韓国やオーストラリア、それに近年では中国も力をつけ、お互い切磋琢磨できる点で日本にとっても有意義です。
特に、台湾との試合は、国同士の政治的な確執も無く、良い雰囲気で試合ができていると推測できます。
 

 その台湾に対してですが、中国は現在行われている全人代で牽制を強めています。
習近平主席は、改めて「中国大陸と台湾は1つの中国に属する」という考え方を示し、台湾に対してこの考え方を受け入れるよう迫りました。

 また、「5カ年計画」では、〈唐突に〉北京から台北までの高速鉄道の建設構想をぶち上げています(※)。
台湾側と協議することなく長大な海底トンネルを通る高速鉄道の建設などできるはずはありませんが、これなども台湾を引き付けたいという思惑を感じます。

 更には、李克強首相が「海洋強国をつくる」と宣言し、海洋進出を加速する姿勢を示していますが、これも海を隔てる台湾に対する軍事的な牽制と言えます。

 こうした中国の言動は、台湾で今年5月に、親中的な馬政権から、独立志向の強い蔡政権へ移行することを睨んだ布石と考えられます。蔡次期総統が誕生した背景には、大陸から国民党政権が逃れて来て長らく経ち、もはや台湾の人々は「台湾と中国が1つの国」という意識よりは、「台湾は台湾」という意識が強くなっているということがあります。
が強くなっている状況です。

 よって、日本は、野球のように、政治レベルでも交流を深め、自由と民主主義の価値観を共有する台湾をより強く支援していくことを考えるべきではないでしょうか。

※:3月6日付産経新聞http://www.sankei.com/world/news/160306/wor1603060031-n1.html