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2016/01/31【それでいいのか“航行の自由作戦”】

 米海軍の駆逐艦が、中国が実効支配する南シナ海のトリトン島の12海里内を航行しました(※1)。
前回のブログでも触れましたが、オバマ政権はようやく「航行の自由作戦」の第二弾を行ったことになります。

 ただ、今回、米駆逐艦が航行したトリトン島は、最近、問題となっている南沙諸島ではなく西沙諸島に属し、中国が埋め立てを実施しているものの、もともとは“自然の島”のようです。

 従って、今回の米駆逐艦の航行は、中国による一方的な実効支配を認めないという点で評価できますが、「航行の自由作戦」の意義としては、前回と同様に南沙諸島で中国が造成を進める“人工島”の12海里内を航行すべきだったのではないでしょうか。
今回の米軍の行動は、「航行の自由作戦」を継続しているとの姿勢と示しつつ、中国を過度に刺激しないように航行海域を慎重に吟味した節があります。

 中国は、問題となっている人工島について、「軍事化しない」としていましたが、ここに来て中国は、「自衛のために軍事施設を作ることは軍事化ではない」との独自理論を展開し出しました(※2)。

 オバマ政権の弱腰とも取れる姿勢が、中国を増長させているのではないでしょうか。
米国は、依然として世界最強の軍事力を持っているのですから、もっと毅然とした態度で中国を牽制してほしいものです。

※1:1月30日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20160130/k10010391751000.html
※2:1月28日付同http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160128/k10010388341000.html