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2015/01/05【日本の航空産業を盛り上げるために】

 水上飛行機で被災地と都心を結ぶ構想が報じられています(※)。
水上飛行機は、滑走路を必要としないため、認可等の問題を別にすれば、柔軟に路線を設定できるメリットがあります。

 広大な面積を持つ北米を中心に既に多数の水上飛行機が運用されていますが、日本ではほとんど普及していません。
確かに、日本は国土が狭いにもかかわらず既に多数の飛行場が設置されていますし、気象条件が厳しい上に、海上も過密であるため、普及していないのかもしれません。

 しかし、滑走路を持たない島嶼部では、現在でも海上自衛隊の救難飛行艇が患者の救急搬送などを担う生命線となっていることからわかるように、日本でもオスプレイのようなティルトローター機とともに水上飛行機が活躍する余地はまだまだありそうです。
また、インドネシアなど広大な面積に数々の島が点在するような地域でも潜在的な需要があると考えられます。

 前出の救難飛行艇の中でUS-2は、比肩する機体が世界にほぼ無く、インドへの輸出や民間への転用が計画されています。しかし、運用コストが高いことが課題の一つとなっており、ビジネス的に成功しているとは言えない状況です。
今年は、三菱による国産初のジェット旅客機「MRJ」の初飛行や、ホンダによる「ホンダジェット」の販売開始が予定されています。

 かつて日本は、戦前戦中を通じて、飛行艇の他にも二式水戦など高性能な水上機を開発し多数運用してきた実績があります。
日本の航空機産業が再び活況を呈する兆しがある現在、再び水上機の開発に目を向けることも航空機産業を盛り上げていく上で有意義では
ないでしょうか。

※:1月4日付日本経済新聞http://www.nikkei.com/video/858795374002/?playlist=843087680002