12月
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2014/12/18【共産主義では立ち行かない】

 キューバと米国が、国交の正常化を進めることで合意しました(※)。
50年以上も断交状態にあった両国にとっては歴史的な出来事と言えそうです。

 今回の合意には、米国にとっては安全保障上の観点やオバマ大統領の政治姿勢などが背景としてあると考えられますが、もっとも大きな背景はキューバが現状では経済的に立ち行かないことがあります。

 キューバは、米国による断交後の経済制裁の影響で苦しみましたが、共産主義のもと旧ソ連を中心とした援助で国家を運営してきました。
左翼的な人からは、キューバは共産主義の成功例のように言われることがあります。
確かに、社会インフラの無料提供や食料の配給などにより、多くの国民は平等に近い生活を送っているように見えます。
しかし、一カ月当たりの国民所得は1万円に遠く及ばず、実際は「貧しさの平等」が実現した社会と言えます。

 しかも、共産主義の常で、国民の自由や人権は大きく制限されています。
近年、国民の海外渡航は緩和されましたが、平均所得が数千円と言われる状況では、多くの国民にとって事実上海外渡航は不可能です。

 更に、キューバは過去に「無神論国家」を宣言したことがあるなど、宗教の価値を軽視してきました。
無神論からは人間の尊厳は生まれてきません。
そのため、「なぜ生きるのか」といった人間の根源的な問いに満足のいく答えが出てきません。

 近年は、キューバでもカトリックを中心とした宗教的な活動が復活しつつあるとのことです。
今回の米国との間で合意を機に、宗教的な価値観が浸透し、キューバにも自由と繁栄への道が開けることを切に願います。

※:12月18日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/20141218-OYT1T50015.html?from=ytop_ylist