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2014/07/24【原発の停止で流出する国富】

 我が国の今年上半期の貿易収支は、7兆5984億円の赤字となり半期ベースで過去最大となりました(※1)。

 必要とするものを外国から手に入れることにより日本が豊かになり、同時に対価を支払うことでその外国を豊かにするのであれば、日本の貿易赤字も悪ではありません。

 しかし、今回の貿易収支の赤字は、原発の再稼動ができないことに伴う、火力発電用の燃料調達コストの増加が要因の一つになっています。つまり、原発が稼働していれば、“本来払う必要のないコスト”を支払っているということであり、国富の流出と言えるものです。

 日本エネルギー経済研究所の試算によれば、国内の原発32基が再稼働すれば化石燃料輸入総額が2兆5千億円減少するとのことです(※2)。4月から実施された8%への消費増税による初年度の税収の増加見込みは約5兆円ですから、その数字が如何に大きいかが分かります。

 安全が確認された原発は早急に再稼働させるべきと考えます。原発の再稼動は、経済最優先として批判されることもありますが、実際は私たちの生活基盤を守ることにも繋がるものなのです。原発の再稼動は、健康被害にも繋がる夏の電力需給を一層安定化させるとともに、化石燃料調達の際の国際情勢の変化に伴うリスクを低減し、エネルギー安全保障にも資するものなのです。

※1:7月24日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/economy/20140724-OYT1T50026.html?from=ycont_top_txt
※2:同産経新聞http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140724/biz14072421140022-n1.htm