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20111208【深きメルケルの悩み】

◆深きメルケルの悩み、ユーロ圏の盟主ドイツ、いつ動く(日経ヴェリタス  2011/12/04)

11月下旬、ドイツの主要都市では毎年恒例のクリスマス市が始まった。露店の店先の電飾がともる夕暮れどきになると、観光客のほか、勤め帰りの会社員でごった返す。南欧など周辺諸国の経済が落ち込む中で、小売関係者は「ドイツの個人消費は依然堅調だ」(独小売業者連盟)と自信を見せる。

独調査会社GfKによると、ドイツの消費者が今年のクリスマス商戦でプレゼントに支出する平均額はほぼ前年並みの241ユーロ(約2万5000円)。独流通大手メトロのエックハルト・コルデス社長は「今年のクリスマス商戦は期待できる」と強調する。基幹産業の自動車業界を中心に業績も上向き。大手では独ポルシェが賃金1カ月分のボーナス支給を決めた

危機と無縁の世界

止まらない欧州の債務危機。債務危機がイタリアなど中核国にまで波及し、国際金融市場が緊張している事態を踏まえ、日米欧の主要中央銀行は30日、ドル資金の供給拡充で協調。29日にはユーロ圏の財務相会合が欧州金融安定基金(EFSF)の規模拡大を決めた。そうした市場の危機モードとは無縁の世界がドイツにはある

ユーロ圏随一の経済大国であり、盟主のドイツ。危機の深刻化がユーロ存続まで揺るがしかねない事態となり、市場や各国はユーロ共同債の導入など多くの負担をドイツに求める。だが、ドイツは財政規律重視の持論を曲げようとしない。その根底には生真面目なドイツ人気質だけでなく、国民が「豊かなドイツ」を謳歌、それゆえに南欧には厳しいという現実がある。

独大衆紙ビルトの11月の世論調査では、回答者の63%が「ギリシャはユーロ圏から離脱すべき」と回答した。フランクフルト市でサービス業を営む50歳代の女性は「我々は働いて豊かになった。わいろ、脱税がまかり通るギリシャをなぜ助けなければならないのか」と憤る。

市民には南欧からの恩恵は見えていない。ドイツが経常黒字を出せるのはユーロ圏の赤字国である南欧がドイツからモノを買っているからだ。ユーロでもドイツは恩恵を受けている。もしマルクのままならマルク相場は急伸していたはずなので、ユーロのおかげでドイツは輸出に有利な通貨安を享受できたといえる。ドイツの貿易関連の業界団体BGAによると、2011年のドイツの輸出額は前年比12%伸び、初めて1兆ユーロを突破する

国民感情と開き

とはいえ、危機をこのまま止められないと、銀行の資産圧縮に拍車がかかり、実体経済の悪化を通じて自らの足元が揺らぐのは必至。そうした市場の懸念もあり、ドイツ国債は23日に入札が不調に終わり、29日には30年物の国債利回りが米国債の利回りをおよそ2年半ぶりに一時上回った。欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW)のマルティン・ヴィンターコーン社長は「南欧財政危機の影響で来年の欧州事業はかなり厳しい年になる」と話す。

「ユーロが崩壊すれば欧州も崩壊する」。独メルケル首相はユーロを守る決意を述べるが、国民感情との開きは大きい。12月8~9日に欧州連合(EU)首脳会議が迫る中、板挟みに悩むドイツは欧州を救えるのか。

◆深きメルケルの悩み―ドイツは欧州を救えるか、支援拡大への抵抗、与党内に根強く(日経ヴェリタス  2011/12/04)

ドイツの紋章である巨大な白いワシが議場を見下ろすベルリンの連邦議会(下院)議事堂。2日朝、8~9日に開く欧州連合(EU)首脳会議への対処方針を説明するため演壇に立ったメルケル首相は、いつもの持論を繰り返した。「一夜で解決するような鳴り物入りの策などありません」

財政規律の改善に各国が地道に努力することこそ債務危機打開の王道。気前の良い支援など論外。中道右派の連立与党の中にはそんな「安定重視」の思想が深く染み渡っている。いくつもの危機の局面を経て、問題国の救済に向けた負担に応じてきたドイツ。さらなる救済拡大はできない。メルケル首相の20分間の演説は、そんな原理原則を見せつけたかのような場面だった

野党は「不作為」攻撃

一方で野党勢力は、結果として市場の不安をあおるかのようなメルケル首相の「不作為」を攻撃する。2日の議会審議でも2009年まで大連立でメルケル内閣の副首相・外相を務めたドイツ社会民主党(SPD)のシュタインマイヤー院内総務が「債務危機が生じたこと自体であなたを非難する人はいない。しかし危機にどう取り組むかをみれば、あまりにひどすぎる」とメルケル氏に批判の言葉を浴びせた

SPDは財政規律の徹底とともにユーロ共同債の早期導入に積極的で、バローゾ委員長など欧州委員会の「連帯重視」の立場に近い。シュレーダー政権の連立相手だった連合90・緑の党も積極的な危機対応を要求する。与党との差を際立たせる思惑があるとはいえ、ドイツ国内にはこうした市場の感覚に近い主張もある。

米国のオバマ大統領をはじめ、海外各国からもドイツの対応の鈍さを批判し、大胆な行動を求める圧力が強まり続けている。昨年5月、ギリシャ危機の不安が止まらず世界市場が大揺れとなった時、メルケル首相は欧州金融安定基金(EFSF)の設立など巨額の金融安全網を敷くことをギリギリの局面で了承した。一言で言えば、その際のような「心変わり」を周囲はメルケル氏に強く期待する。

ところがその時の決定に対する不満が、連立与党内の支援消極論を勢いづかせる。「ドイツの不思議」を理解するには、そうした政治情勢に目を配る必要がある。

今年5月時点で、メルケル首相が率いる会派の陣営のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は237議席。これと連立を組むのがリベラル派の自由民主党(FDP)だ。FDPは09年秋の総選挙で史上空前の支持を集め93議席を得ており、双方で330議席と全620議席の過半数を握る。だがメルケル会派のうち姉妹政党の「社会同盟」(CSU)は保守色が強い南部バイエルン州の政党。FDPも「小さな政府」の主張から伝統的に他国支援の拡大を強く警戒する立場だ。

真の首相勢力である「民主同盟」(CDU)は政権与党として国際情勢にも目を配る立場。CDUには欧州内で浮上するユーロ共同債の導入など積極的な危機対応策にいずれは追い込まれるとみる「現実派」が少なからずいる。ところがCSUやFDPは自らの存在感を維持する狙いもあって支援拡大に後ろ向きの議論が支配する。これらの勢力を束ねるのは容易ではない。

たとえば10月末のEU首脳会議で合意したEFSFの能力拡大策。「レバレッジ(テコの原理)」を利用して海外諸国や国際機関などの資金を元手に実際の基金規模を上回る支援を可能にする内容だが、CSUのゼーホーファー党首はその1カ月前に「レバレッジはダメだ」と強く否定。ドイツが負うリスクが高まるのは容認できないという立場を強調した。CSUは結局、10月のEU首脳会議を前にした金融市場の緊迫を受けて、能力拡大を「黙認」したが、ドイツのさらなる負担を受け入れられる雰囲気にはない。

厄介な連立相手

連立相手でさらに厄介なのがFDPだ。「ユーロ共同債は金利の『社会主義』だ。絶対に認められない」。FDPのリントナー幹事長は危機国の金利負担を一方的に軽くする共同債の導入論に激しく反対する。ギリシャの「秩序だった債務再編論」を唱えて市場を混乱させたのも、政権ナンバー2の副首相兼経済技術相でもあるFDPのレスラー党首だった。

FDPは党首の指導力不足や減税政策などにこだわる党の姿勢が国民に嫌われ、政党支持率が2~3%と選挙で議席を失う水準にまで落ち込んでいる。この先、危機対応で独国民の持ち出しが増えるような政策を出せば面目をさらに失いかねず、支援反対論は過激さを増している。

メルケル首相が「決断」に及び腰なのは、規律重視という原則を揺るがせば国民の支持が離れ、しかも与党内勢力の離反も招きかねないという政治的なリスクと無縁ではない

ギリシャが危機に陥って以来、ジワジワと広がり、ついにイタリア、そしてフランスにも至った不安。ドイツ国債の入札が不調に終わる事態も生じた。金融市場はそれを「ドイツの対応の鈍さが根源」と批判する。だがドイツの一般的な感覚では「だから財政規律は大切」となる。板挟みのメルケル首相はそのズレを見すえ、厳しい批判を承知で原則論を堅持するしかない。

最後に欧州を救えるのはドイツしかないということは、首相自身が一番わかっているはずだ。だが国内政治と世論の環境は、甘い措置を許さない。「財政規律の強化」という旗を下ろさず、突き進むメルケル氏の人知れぬ悩みがそこに潜む。

欧州債務危機を止める「最後の砦」として期待されるドイツ。南欧諸国の苦境を横目に財政規律重視の持論を曲げずにいる。国内世論と国際情勢の板挟みでメルケル首相の苦悩は深まる。ユーロ圏の盟主ドイツは欧州を救うことができるのか。

◆企業、積極投資へ転換、手元資金60兆円、3年ぶり減―円高でM&A最高(日本経済新聞 朝刊  2011/12/03)

上場企業の手元資金が9月末時点で60兆円と3月末を8%下回り、半期ベースで3年ぶりの減少に転じたことが分かった。2008年のリーマン・ショック以降、多くの企業は財務の安全性を重視して資金を積み増してきたが、グローバル競争の激化に対応して余裕資金の活用にカジを切ったためだ。円高を背景に海外企業の買収件数は過去最高となり、低迷する株価のてこ入れを狙った増配も相次いでいる。(手元資金は3面「きょうのことば」参照)

3月期決算の上場企業で、連続してデータがとれる1742社(金融・電力・新興2市場除く)について日本経済新聞社が集計した。

現預金、短期保有の有価証券などを合わせた手元資金は9月末時点で60兆2223億円。過去最高だった3月末を約5兆円下回った。全体の約6割にあたる1041社で減っており、余剰資金の活用が進んだ。

資金使途で目立つのはM&A(合併・買収)を柱とする戦略投資だ。武田薬品工業は、スイス製薬大手ナイコメッドの買収資金1兆650億円のうち5000億円近くを手元資金で賄った。第一三共も米創薬ベンチャー買収で手元資金を減らした。トムソン・ロイターによると、4~9月の日本企業による海外M&Aは326件と半期で過去最高となった。

10月以降も攻めの投資が活発だ。伊藤忠商事は米ファンドなどと米石油・ガス会社サムソン・インベストメントを買収。手元資金800億円を取り崩す。「今後も積極的に海外投資を進める」(岡藤正広社長)という。ユニ・チャームは米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などとの競争に対応し、今期から3年間で海外投資に計600億円を投じる。ほぼ全額を自己資金で賄う。

ソニーは半導体関連の設備投資、三菱地所は東京・丸の内再開発事業の原資にそれぞれ手元資金を充てた。トヨタ自動車や住友金属工業は、東日本大震災の復旧などに活用した。

株主への利益配分を増やす動きも目立つ。12年3月期の純利益はリーマン・ショック前(08年3月期)の約7割にとどまるが、配当総額は8割強に回復する。

今期は「減益でも増配」の企業も85社にのぼる見込み。日産自動車は「最終利益の25%は配当に回す」(カルロス・ゴーン社長)方針に沿って、年間配当を20円と前期の2倍にする。6割減益の住友化学も増配する

◆手元資金―リーマン後は増加続く(きょうのことば)(日本経済新聞 朝刊  2011/12/03)

▽…現金、預金、短期保有の有価証券など、企業が比較的自由に使える資金のこと。財務の健全性を測る尺度として注目され、手元資金が潤沢な企業は収益悪化への抵抗力が高い。半面、必要のない資金をため込んでいると、株主から成長投資や増配などを求められることもある

▽…2008年秋のリーマン・ショック後、企業は投資を絞り手元資金を積み上げる「守りの財務」を続けてきた。こうした傾向は東日本大震災後に強まり、今年3月末の上場企業の手元資金は過去最高になった。最近は円高を生かした海外投資が目立ち、日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)件数は過去最高水準で推移している。

◆デフレ経済、実感とズレ、食品など必需品値上げ、テレビなど大幅値下げ(日本経済新聞 朝刊 2011/12/05)

消費者のデフレ予想が薄らいでいる。10月の消費者物価指数(CPI)は4カ月ぶりにマイナスに転じたが、消費者の7割は先行きの物価上昇を見込んでいる。モノやサービスの価格が「二極化」し、食料など必需品の価格が上がっていることが背景だ。ただ、日本の主力産業は値下げ競争が激しい分野にあり、生活感覚とは裏腹に、デフレ脱却の道のりは遠そうだ。(関連記事3面に)

10月の全国CPIは値動きが激しい生鮮食品を除くベースで前年同月比0・1%下落。前年のたばこ値上げなどの特殊要因が消え、より実態に近づいた。

原油や穀物高騰

専門家の間ではデフレ基調は続くとの見方が支配的だ。日銀は10月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で2011年度、12年度とも物価上昇率は0%近辺と予想。民間エコノミストでは、マイナス0・1~0・2%との予想が多い。

にもかかわらず、消費者の見方は異なる。内閣府の10月の消費動向調査によると、1年後の物価見通しは「上昇する」との回答が69・6%と前月比2・4ポイント増加。直近の底だった09年12月(29・2%)から40ポイント以上増えた。消費者がデフレを実感しにくい最大の理由は原油や穀物など商品市況の高騰で、生活必需品の値上げが増えていることだ。

CPI(生鮮食品を除くベース)の個別品目をみると、価格が上昇した品目の割合は36%に拡大。下落は51%と、直近のピークだった10年5月(68%)に比べて縮小した。来年1月には家庭用小麦粉や蛍光灯などの値上げが相次ぐ。

CPIは財とサービスに分かれ、構成比率は半々。財は家電など「耐久財」と衣類など「半耐久財」が各7%、残り36%が食料品やガソリンなど「非耐久財」だ。消費者のデフレ予想が強まった2002~04年と09年は、3つの財すべてが下落基調だったが、最近は非耐久財が上昇している点が違う。

下落が続く耐久財はパソコンなど家電を中心に、メーカーが激しい価格競争を繰り広げている。ただ、消費者はそう頻繁に耐久財を買うわけではなく、前の購入価格と比較してデフレを実感する機会は限られる。

これに対し、食料品は食パンや砂糖、コーヒーなどの価格が上昇。東日本大震災後は電気代など公共料金の引き上げも加わった。

買い控えで拍車

雇用者の現金給与は97年をピークに減り、必需品価格の上昇で低所得世帯中心に実質購買力は下がった。家計調査で消費支出に占める「食料」と「光熱・水道」の割合は今年1~10月平均で31・4%と、同統計を遡れる00年以降で最大。消費者は自動車など耐久財は購入を控え、一段の価格下落を招く構図だ。

自動車など輸送用機械と電気機械は製造業生産額の5割弱を占める日本の主力産業。海外でも韓国メーカーなどと価格競争を迫られ、収益環境は厳しい。働く人は賃金上昇を見込めず、生活防衛の色彩を強める。クレディ・スイス証券の白川浩道チーフ・エコノミストは「賃金が上がらない限り、耐久消費財の持続的な価格上昇は見込みにくい」と指摘する

◆危機先人に学ぶ――ハイエク(6)国際基督教大学八代尚宏氏(やさしい経済学)(日本経済新聞 朝刊 2011/12/01)

国際基督教大学客員教授 八代尚宏

福祉国家の功罪

米ウォール街占拠に端を発した反格差デモが先進国に広がっている。ハイエクが仮にこのデモを見れば、若者の雇用機会減少や賃金格差拡大の現状を改善するためには、政治的な圧力だけでなく、市場の活用を進めよと説くはずである

輸出産業と、輸入品と競合する産業との間では、必要とされるスキル(技能)の内容が異なる。この結果、世界的に貿易が拡大するなか、労働生産性や賃金の差の拡大が生じたのだ。それだけに、反グローバリズムを唱えても、世界の潮流から取り残され、じり貧になるのみである。

低賃金労働者の待遇改善は、過去の高い成長期と同様、新しいスキルの向上や低生産性部門から高生産性部門への労働移動によりはじめて達成される。このために必要な教育訓練への公的支援や、転職を支援する健全な人材ビジネスの育成こそが政府の役割である。

ハイエクは、既得権を守る労働組合やそれを支える労働法制などによる労働市場の硬直性が、市場を通じた所得格差の縮小を妨げる大きな障害であると指摘した。著書「自由人の政治的秩序」では、「市場への最大の脅威は、個々の企業ではなく組織された集団の利己主義」であり、「組織不能な利益集団が、組織可能な利益集団の犠牲にされる」としている。これは現在の日本における、組織された正社員とそうでない非正社員・新卒者との間の「労・労対立」を予見していたともいえよう。

ハイエクは、福祉国家の拡大が世代間格差を広げることも指摘していた。「一定年齢を超える人の所得源が政治的に定められる年金で、将来の世代に対して彼らが進んで負担しようとする以上の負担を負わせることになる」(「福祉国家における自由」)

日本では、所得格差の大きな高齢者層の比重が高まり、これが社会全体の所得格差を拡大させる主要な要因となっていると、大竹文雄阪大教授が指摘した。それにもかかわらず、年金の支給開始年齢の引き上げや高齢者の医療保険料負担増に対する抵抗は大きい。減少する一方の後代世代に社会保障負担を先送りするのではなく、豊かな高齢者が貧しい高齢者を扶養する同一世代内の所得再分配の強化が求められている。

◆バローゾ委員長、ユーロ圏各国に予算監督強化を提案 共同債発行検討も(2011.11.23 産経ニュース)

【ロンドン=木村正人】欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会のバローゾ委員長は23日、単一通貨ユーロ導入国に対し各議会に予算案を上程する前に報告を求め、EUの「財政査察官」を強制的に派遣するなどの対策を提案した。重債務国の資金調達を助けるためユーロ共同債の検討も求めた。提案をたたき台に12月のEU首脳会議で財政規律の強化策を協議する。

バローゾ氏は記者会見で、毎年10月15日までにユーロ導入国に予算案の報告を求めるとし、財政赤字を国内総生産(GDP)の3%内に抑える安定成長協定を守れない国には予算案再編を要請する対策を提案した。応じない場合は公表して圧力をかける方針だ。

また、債務危機の抜本的な解決策としてユーロ圏が共同で債務を保証する共通債「安定債」の導入検討を提案。(1)ユーロ導入国が発行するすべての国債を安定債に転換(2)導入国がそれぞれの国債を発行する一方で債務の一部を安定債に転換(3)重債務国の債務について一部を安定債に置き換えて個別に保証する-の3案を示した。

安定債の導入にはEU基本法「リスボン条約」の改正が必要となるとみられるが、メルケル独首相は「ユーロ共同債は機能しない。適切ではない」と猛反発しており、現時点での導入は困難とみられている。

【所感】

メルケル首相がポルトガル出身のバローゾ欧州委員会委員長のユーロ共同債の提案に猛反対しています。もっともだと思います、誰が最後まで責任を持って債務(借金)を返済してくれるか? ユーロ安定債を買う側の立場で考えれば、反対する理由がはっきり見えてきます。

最後に返してくれる国として残るのはドイツしか無いと誰もが心の中で思っています。逆の視点に立てば、欧州が抱える借金のツケがかなりドイツにまわってくることと同じです。「我々がアリのように勤勉に働いて貯蓄したのは、遊んで暮らすキリギリスなんかのためじゃない!」と自国民に訴えられたら..と思うと同情します。

米国はドルを大量に印刷して危機を脱したので、ユーロも大量に印刷すべきと圧力をかけてきます。この問題も結局、共同債と同じです。ユーロは実質ドイツの貨幣と見做されることになります。ドイツ国民はインフレでお金(ユーロ)の価値が下がると思うから、やはり怒ります。「キリギリスのお陰で折角の蓄えの価値が下がってしまった!」

アメリカは、「その分ドイツは多くのベンツが売れたはずじゃないか!」と突き放します。でもメルケル首相にとってみれば、イソップ物語のアリのようにキリギリスに巻き込まれないですむ方法は見つからないということです。

深きメルケルの悩みとは、失礼ながら、よくぞ思いついたものです。

日本ならこの悩みを解決できるかもしれない立場にあるのに、中央銀行総裁は先日のドル供給策に関して「あくまで短期の解決策で危機を回避したわけではない」と他人事のようなコメントを発表しています。 穿った見方かもしれませんが、「金融緩和で欧州危機は解決されない(日本と同様に)」と予防線を張ったのではとの印象を持ちました。

日本が信用を供与(債権を購入)すれば、ドイツ人の痛みを緩和しつつユーロを刷ることも可能になります。ベンツやワインを輸入することで米国型の景気回復も可能になります。日本以外の国は日本のことを“アリギリス”だと思っています、引っ込み思案はもうそろそろ止めなければなりません。


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