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2011/12/04【野田政権の本質は“社会主義”】

目にされたかたも多いと思いますが、12月4日付の新聞各紙に「すべての国民の皆さまへ―社会保障と税の一体改革について―」と題して、政府広報・内閣官房の全面広告が載りました。

その中で野田首相は、日本の現状について「世界最速の高齢化で、年金・医療・介護など必要な社会保障費は毎年1兆円以上も自然に増えていくんです」、「この国の歳出で増えている部門は、専ら社会保障費なんです」、「どなたにも、社会保障は必要になります。だから、世代を超えて、公平感がある税金で《お互いを支え合う》んです」などと述べています。

しかし、野田首相の現状認識は誤っています。誰でもわかるはずですが、毎年1兆円も自然増する社会保障費をそのまま国民からの税金で賄おうとすれば、税金をいくら取っても足りなくなります。日本の歳出の中で、ここ50年の間に比率が増えているのは、主に社会保障関係費と国債費です。これは、社会保障を手厚くするために借金を増やしてきたということです。今、債権危機が問題となっているギリシャなども同様です。つまり、福祉国家は財政危機を招くということが分かったのです。

にもかかわらず、増税に邁進する野田首相は、松下政経塾出身のハズなのに、政策に社会主義的な傾向が強くにじんでいます。実際、民主党政権は、消費税増税と合わせて「給付付き税額控除」を検討しており、その際に「共通番号制度」が必要になると考えています。「共通番号制度」が導入されれば、預貯金、借金、株取引の収入、年金、失業給付など、国民のあらゆるお金の出入りを国家が監視できるようになります。まさに、民主党政権の本質は社会主義であるといえます。

やはり、あらゆるものの発展・繁栄の源泉には自由が必要です。様々な理由で国民の自由を奪う政策を進める民主党政権を容認することはできません。まず行うべきは増税ではありません。これからは、いかに社会保障費を削れるかが、健全財政の指標になっていきており、ヨーロッパでもその動きは既に始まっています。よって、まずやるべきは年金や医療制度の改革なのです。